九州ぐるりの旅

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9月22日 〜鹿児島の空に昇る太陽の巻〜

 6時半起床。長崎鼻と呼ばれる岬へ向かったが特に何もなかった。素敵な景色も見ることはできず。続いて、開聞岳方面へ。開聞岳一周道路なるものを発見。そこを通ることにした。最初はトンネルが続き、まさか最後までずっとトンネルでは、と思ったが途中から外にでることができ一安心。ぐるりと一周し終了。

 朝風呂を浴びようといろいろと調べていると東郷温泉なるものが近くにあることが分かり、そこへ行くことに。小さな町の浴場みたいなところだったが、しっかりと温泉だった。もちろん誰もいなくゆっくりと湯船につかり汗を流す。日差しが強く暑かったが、どす黒い雲もおり、おかしな天気になりそうだ。
 時間は8時。今回の最大の目的地である、知覧の特攻平和会館へ向かうことにした。 その途中、池田湖という大きな湖があり、そこへ立ち寄った。

◆9月22日 8時20分 池田湖
  ここは九州最大の湖だそうだ。確かに広い。とにかく広い。パノラマである。まだ太陽が昇りかけだったので、水面に反射する太陽の光が、まぶしいもののとても幻想的だった。少しだけ湖周りの道を歩いて太陽光を浴び、目を覚ましていった。
 駐車場には大きな怪しい、ネッシーのような像が建っていた。きっとネス湖のように、池田湖にも巨大生物がいたと噂されたことがあったのかもしれない。となると、名前は…イ、イッシー?さすがに発見することはできなかった。

 池田湖見学も終わり、今度こそ特攻平和気会館へ向かうことにした。


◆9月22日 9時20分 知覧特攻平和会館
  今回、九州旅行を思い立ったきっかけがこの特攻平和会館だった。元々、それほど戦争や特攻に興味があったわけではないのだが、「永遠のゼロ」という小説がきっかけで最近戦闘機や特攻に興味を持ち始めた。そして、鹿児島に特攻平和会館という施設があり、特攻で亡くなった方たちの遺書が展示されているということを知った。そして、ここに来た。
 知覧に着いた途端、いきなり大雨が降ってきた。しかし、通り雨で10分もせずにまた晴れ間を見せた。開館直後ではあったがちらほらと人がいた。
 館内の展示のほとんどが遺書だった。特攻で亡くなった方の顔写真とともに展示されている。ほとんどの人が歳下で、中には10代の人もいる。特攻に対する知識はほとんどないに等しいのだが、特攻自体は志願と言う名の命令だったそうだ。自分が特攻に行くと決まった時点で十死零生。必ず死ぬのである。その人たちが残した言葉は涙なしでは読めなかった。
 一番心に残ったのは、「笑っていきます」という言葉。元特攻隊の方の本などを読むと、本当に笑って出撃していった人は多くいたそうだ。笑えるようになるまでいろいろなことに思いを巡らしたと思う。そして、死を受け入れたのだろう。20代もそこそこで受け入れるなんて、自分では到底できないことだ。だからこそ、彼らのその気持ちを、手紙に綴った言葉を受け止めなければいけない。
 特攻自体は決して成功した作戦ではなかったと思う。人によっては無駄死にだという人もいるらしい。ただ、それでも今の日本の礎となったのは、今の平和な日本があるのは彼らがいてこそだと思う。きれいごとのように聞こえるが。今回、多くの手紙から力をもらった。彼らの言葉を一人でも多くの人に伝わることを願う。
 館内にはその他にも一式戦闘機の隼や海底から引き揚げられた零戦 が展示されている。特攻というものがどういう作戦だったのか、知覧での特攻作戦の実態など。戦闘機を見るのも楽しみにしており、できれば写真を撮りたかったのだが、残念ながら館内撮影禁止だった。
 外には特攻平和観音堂があり、そこで祈祷していった。知覧はとても小さな町ではあるが、特攻平和会館だけでも行く価値があると思う。

 着いた時の大雨が嘘のように、空は晴れていた。次の目的地である桜島へ向けて車を走らせる。桜島へは桜島フェリーを利用する。フェリー大好き。12時過ぎの便に乗ることができた。お昼の時間帯は10分に1便あるそうで、とても便利だ。いざ、桜島へ。

◆9月22日 12時30分  桜島
  フェリーから降りると、そこは桜島。まず自然恐竜公園というところがあるらしく、そこへ行ってみることに。…見るも無残なさびれた状態。誰もおらず。これはひどいなぁと思いつつ、そのまま 来た道を引き返す。15分ほど車を走らせ湯之平展望所へ。
 駐車場からすでに火山灰で真っ黒。鹿児島の人の話によると、日常的に火山が爆発する音が聞こえるんだとか。恐ろしや。展望所からは活火山を目の前に見ることができた。活火山自体は、1つに見えるのだけど、 いくつかの山が折り重なるようになっているのだそう。 そもそも、桜島の活火山は2万年前より火山活動を始めたそうだ。そして、現在も活動を続けている。すごいことだ。
 そして、再び車を走らせていると有村溶岩展望所というところを発見。その名の通り、溶岩がそこら中に転がっている。そこから見える山も壮大な景色だ。そして、おびただしい数の溶岩。海岸線から山のふもとまで溶岩だらけだ。火山灰や溶岩を見ると、本当に今でも活動を続けているんだなと思う。そして、桜島で生活している人々はすごいなとも思った。

 そうこうしているうちに時間は13時30分。桜島観光を終え、次の目的地である九州種馬場(競走馬のふるさと案内所・南九州案内所内)へ向かうことに。スバル純正ナビに目的地をいれ、いざ出発!しかし、このナビかなりドSである。とにかく山道大好き。今回の桜島〜九州種馬場ルートは全て山道。このドSぶりに感心しながらも、知らない土地では素直にナビに従った。

◆9月22日 15時00分  九州種馬場
  険しい山道を抜け、ようやく目的地近辺へ。しかし、場所がなかなか分かりづらかった。道を一歩はいったところにある為、看板を頼りにしないとなかなかわからない。
 まずは競走馬のふるさと案内所兼事務所に立ち寄る。そこで、記帳。厩舎は隣にあるので後は自由に見てくださいとのこと。なかなかフリーダムだ。行ってみると…いた、いたいた!ダンツシアトル、サイレントハンター、ロドリゴデトリアーノ、ブルバードライジン(アラブ)がいた。ダンツシアトルは馬房内をぐるっと回って、立ち止まって、またぐるっと回って、立ち止まってを繰り返している。サイレントハンターはちらちらと横目でこちらを見てくる。ロドリゴデトリアーノは慣れてるのかやたらとカメラ目線で愛想がいい。ブルバードライジンは目つきがぎょろっとしててなかなかいかついやつだ。
 自由に見てくださいと言われても、なかなか難しいもので、とりあえず写真撮ったり話かけたりした。サイレントハンターって11勝してるのかぁと感心したり、ロドリゴデトリアーノの愛想の良さに感心したり、ダンツシアトルのあまりにも一定の動きに感心したり、ブルバードライジンの鋭い目つきに感心したりと…意外に時間は早く過ぎていくものだ。
 しかし、やはり外にいるときに見たかったと思う。その日は、雲こそでていたがとてもいい天気で気持ち良かった。多少日差しが強かったが。外で走りまわっている姿を見れたらよかったと思った。やはり見学する時はもう少し早い時間に行かなければいけない。
 一通り見終え、案内所内でいろんなリーフレットをもらったり、牧場マップを手に入れ、他に周れそうな牧場がないかを探す。しかし、日程的に厳しそうだ。九州牧場巡りはこれにて終了となった。次こそは、牧場巡りをメインに行ってみたいものだ。
 

 この日は、鹿児島の友人の家へ泊まることになっていた。連絡をとり、住所を聞きいざ友人宅へ。九州種馬場から30分ほどで着いた。港の近くで、とてものどかな場所だった。時間は16時半。夕食を18時に予約しているとのことなので、それまで時間がある。 せっかくなので都井岬へ行くことにした。

◆9月22日 17時00分 都井岬
  都井岬は友人宅から1時間もかからないくらいの距離。途中通行止めがあるとの看板を見たが、幸いそこにひっかかることなく着いた。展望台などの施設は16時で終わっていた。しかし、駐車場からの景色はすばらしかった。ちょうど夕日が見える時間帯できれいだ。都井岬と言えば、岬馬がいることで有名だ。近くを歩いていたおばちゃんにどこらへんへ行けば岬馬がいるかを尋ねてみると、詳しく場所を教えてくれた。
 おばちゃんの情報を頼りにその場所へ行ってみると、本当に岬馬がいる!のらりくらりと生活していた。人間が来てもおかまいなし。群れで行動している。昨日見たホーストラストでの景色と同じだった。違うのは、こちらには柵がないこと。本当に野生で生活しているのだろうか。ある程度誰かが管理はしているだろうが。そして、その場所からの景色も絶景だった。岬というだけあって、海がよく見える。水平線へ沈む太陽は絵になる。
 帰り際、なんと岬馬が道路上を歩いている。これにはさすがにびっくりした。どうやらおじさんが連れて歩いているようだ。こんな風景を見るのも面白い。

 家へもどるとちょうど夕食の時間。友人のご両親と近くのお店へ。新鮮な魚介類をこれでもかというほどごちそうになった。そして、鹿児島と言えば芋焼酎!普段、焼酎は全く飲まないのだが、せっかくなので水割りをいただいた。うーん、やはり焼酎は苦手だなぁと思いつつも、結構さっぱりした味だったのでなんとか1杯は飲めた。しかし、わたくしめっぽうお酒に弱いので、夕食が終わり家へ戻ったらすぐにばたんと眠ってしまった。友人一家はとても良い人で、素敵な家族だった。

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