九州ぐるりの旅

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9月21日 〜熊本、鹿児島と続く旅路の巻〜

 6時半起床。くもり空。眠気を覚ましたり、ぼーっとしたり、歯を磨いたりして朝のひと時を過ごす。ローソンで朝食を買い、道の駅で食べる。途中、近くにいたおじさんとおしゃべり。神戸から来てるそうな。
 そして、くもり空が気になるが、とにかく阿蘇山へ行ってみようと出発。

◆9月21日 8時00分 阿蘇山
  ひたすら霧。霧、霧、霧。運転すらまともにできず、地元の軽トラにぬかされる始末。行ってみたかった草千里ヶ浜(と思われる場所)も霧ばかりで、本当によく写真で見る景色が広がっているのか疑問に思ったくらい。これではロープウェイどころではないと思い、早々と阿蘇山は諦め道の駅へ戻ることに。

 このまま阿蘇から離れるのはもったいないと思い、観光案内看板を頼りに古関の滝(こがのたき)というところへ行くことに。案内板だけを頼りに、ナビにすら表示されない生活道を右へ左へし、ようやく駐車場へ到着。

9月21日 8時40分  古関の滝
  駐車場からは遊歩道のような山道を15分ほど歩いていく。入口に牛の放牧場があり、ちょっと驚いた。途中、使われてないと思われる線路が見えたりと、なかなか面白かった。そして、ついに滝に到着した。
 想像以上だった。もう少し小ぶりな滝がでてくるのかと思ったら、左右に大きな滝が2つ。左が男滝で、右が女滝。男滝は80m、女滝は100mあるそうだ。山道を歩きたどり着いた先の開けた景色の中に、大きな滝が2つ。なんとも心躍るシチュエーション。展望台からの景色も爽快で気持ち良い。時々あたる水しぶきが気持ちいい。ただ流れている水の量が多くない為、落差が大きくても迫力は少ない。それでも、立派な滝であった。ごちそうさま。

 その後、道の駅へ戻る。戻ったころにはお店が営業しており、定番のソフトクリームを食べた。どこであろうと、牧場の牛乳を使ったソフトクリームは美味い。お土産もいくつか買い、次はどうしようか考えた結果、一度熊本市内へ戻り昼飯を食べることにした。
 その途中、また滝という文字を発見してしまった。今度は数鹿流ヶ滝(すがるがたき)。どんな滝かは分からないが、やはり心躍ってしまう。

9月21日 9時50分  数鹿流ヶ滝
  国道沿いにある駐車場から細い道を通り、歩くこと3分ほど。展望台に到着。この滝は落差が60mほどあり、日本の滝百選に選ばれているようだ。間近で見ることはできないが、木々の合間から見えるその滝はすごかった。60mの落差をかなりの水量が流れており、迫力満点。遠くからしか見ることはできないが、滝つぼを打つ水の音が心に浸みわたる。

 数鹿流ヶ滝を後にし、いざ熊本市内へ。11時過ぎに到着。お目当てのお店は11時半から営業開始ということで、ぶらぶらすることに。しかし、暑い。とにかく日差しが強く、暑い。焼けてしまうな、これは。名古屋と同じくらい暑い九州。
 そうこうしているうちに時間になり、お店へ。今回もまたラーメン(笑)とく一という、夜は熊本料理をだすお店で、お昼は豚骨ならぬ馬骨でダシをとった馬骨ラーメンをだしている。早速馬骨ラーメンを食す。豚骨とはまた違った舌触りで、少しとろみがあるスープ。それがうまく麺と絡み合い、美味しかった。チャーシューももちろん馬肉。めったに食べれない一杯、ごちそうさま 。

 続いて、名馬に会いに行こう計画その1。鹿児島・霧島にあるホーストラストさんへ行こうと電話をしてみる。当日連絡だったにも関わらず見学させていただけることに。よかった。その他、2つの牧場に連絡してみたが、ひとつは何度かけても電話がつながらず断念。もうひとつは明日見学行くことにした。

◆9月21日 15時30分 ホーストラスト
  熊本から約2時間半ほど。鹿児島と宮崎の県境にある霧島。ナビではうまく表示されないとのことで、霧島アートの森を検索して来てくださいと言われ、その通り に車を走らせた。そして、到着。乗馬施設の霧島アート牧場と併設されているのがホーストラスト。現役を引退した馬(競走馬や乗馬)を預かって、自然界での生活にできるだけ近い形で飼育している施設で、NPO法人が運営されているそう。電話でタイキブリザードとエイシンワシントンを見学させてください、と言っただけ だったが、牧場全体を見学させてもらった。
 全部で放牧地が3つあり(訪問後に新たな放牧地ができたようで今は4つになった)、それぞれの放牧地で段階を踏んで「自然界に近い形で生活する」ことに慣れていっているよう。最終的には食事以外はほとんど馬が自力で生活している。
 まずは人間の立ち入るスペースから一番近い放牧地へ。そこにはこの牧場に来たばかりの馬や体調を崩した馬などがいる。ここにタイキブリザードがいた。ちょっと前に体調を崩した為、この放牧地に来ているとのこと。柵の外から見学していくのだと思っていたら、普通に柵の中まで案内されて、馬たちに触ることができるみたい。タイキブリザードは「ブリちゃんと」呼ばれている。1頭、仲良しの馬がいて、その馬と四六時中一緒にいた。その他にも10頭弱の馬がおり、中には32歳のブルキング(阪神障害ステークス優勝)もおり、元気に生活していた。シンザンが持つ、軽種馬の日本最長寿記録(35歳)を更新できるのではとのこと。がんばって生きてほしい。
 続いて、ちょっと離れた放牧地へ。車で移動。こちらは、最初の放牧地で少し慣れた馬たちが移動してくる。広い放牧地で昼夜放牧生活をしている。ここにエイシンワシントンがいた。ワシントンは 少し前に脚を痛めたそうで、ちょっと引きづりながら歩いていた。ここももちろん放牧地にはいり、普通に馬を触れた。馬たちも人間が来ようが全く気にしない。馬の種類もサラブレッドに日本古来の種である岬馬など多様な馬たちが生活している。岬馬は大人になってもサラブレッドの仔馬くらいのサイズしかない。しかし、元来野生で育ってきた馬だけあって、自然界での生活の仕方を知っている。その為、馬社会のルールなど何も知らずに育ったサラブレッドや乗馬用の馬たちにルールを教えるているのだそうだ(教えると言うよりも、他の馬が岬馬を見習って生活する)。
 そして、最後に一番大きな放牧地で、もう昼夜放牧に慣れて自分で生活できる馬たちのところへ案内してもらった。ここにはオースミロッチ(通称ロッチ)やハギノリアルキング(通称キンちゃん)、スナークレイアース(通称レイちゃん)がいた。ここも本当に多様な馬たちが生活している。前の放牧地と同様、人間が来ようが全く我関せず。10頭以上もの馬がいると、やはり自然と群れができるようでリーダー格が決まってくるそう。ここで一番強いのはレイちゃん。もちろん どの馬も最初は順位が一番下で、そこから這い上がっていく。その為、馬たちには生傷も結構あったりする。それでも、いろんな経験をしてリーダーになりたい馬は上にあがっていく。馬社会も人間社会と変わらない。
 そんなこんなで、3つの放牧地を案内してもらった。案内してくれたのは若い女性。それとボーダーコリーのローラとホワイトシェパードのメリー。2頭とも自由気ままに走りまわって案内してくれた。ローラの方は終始遊んでほしいみたいで、放牧地に着くたびに木の枝などを加えて持ってきて投げてほしそうな目線をする。かわいい。ローラには役目があって、放牧地に入ってくる鹿を追い払うそうだ。そう教えたわけではないのに自然と鹿を追い払うローラ。えらい。
 そして、見学も終わり帰ろうと事務所に向かっていたところ、案内してくれた女性の方が「ちょうど夕飼いの時間ですので同行しますか?」と。二つ返事で同行させてもらうことに。軽トラの荷台に乗りローラとともに各放牧地を周った。それぞれの放牧地で飼い葉を与え水を補充する。一緒に周ったスタッフの方は同じくらいの歳であろう人たちでとても良い人たちだった。そして、ローラは荷台に乗った飼い葉を馬たちから守る役目を担っている。これも教えたわけではなく自然とやり始めたそうだ。走る軽トラの荷台でうまくバランスをとっているし、素晴らしいわんこ。そして、1時間弱で3つの放牧地を周り終えた。とても貴重な経験をさせてもらった。
 是非ともまた足を運びたいと思う。そして、何やらホーストラストへの支援制度や、一頭の馬に対して預託料の一部を支払うトラストスポンサーと呼ばれる制度もあるようだ。また機会を見つけてみてみたいと思う。とてもいい牧場だった。

  ホーストラストを後にして運転していると、野々湯温泉という看板を発見し行ってみることに。立ち寄り湯も可能ということで汗を流すことにした。若干、さびれた感じは否めな かったが温泉自体は気持ち良かった。そして、温泉の前の広場に見晴らし台みたいなのがあって、そこから桜島を見ることができた。でかい。
 汗も流し気持ち良くなったところで夕飯を食べようと鹿児島市内へ移動することにした。もちろん食べるのはラーメン。19時に鹿児島市内へ到着。ガイドブックを頼りに豚トロというラーメン屋へ。福岡出身の同期も知っている結構有名な店みたいだ。鹿児島ラーメンもうまい。ただ、豚トロというほどチャーシューは豚トロでなかったのが残念だったが。それと塩味が濃かった。

 夜もふけ、今日の宿を探すことに。これまたガイドブックを頼りに今日の宿は道の駅いぶすきにすることに。海沿いの道を走り到着。指宿温泉で有名なところだ。今日はここでおやすみなさい。

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