九州ぐるりの旅

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9月20日 〜そこは歴史の街、長崎の巻〜

 朝、いつもよりはゆったりと7時に起床。窓を開けてみると雨模様。本日のメインイベントは軍艦島クルーズツアー。しかし、天候や海の状態次第では軍艦島に上陸はできない。その為、どんどん強くなる雨に不安だけが募っていく。
 8時、宿で朝食をいただく。味のり、納豆、卵、ご飯おかわり自由と、貧乏旅行にはうれしい。ボリュームたっぷりの朝食を終え、身支度を整える。たいして片付けるものはないが、軍艦島ツアーに向けて手荷物を整理。ツアー自体は10時半集合の為、ちょっと早いが9時前にチェックアウトをし、長崎市内へ向かうことに。ツアーの人に電話をかけてみて様子をうかがうが、実際に島の近くまで行って波の状態を見てみないことには上陸できるかどうかは分からないとのこと。とにかく行ってみるしかない。そうしていると、空は徐々に晴れてきて…。

◆9月20日 10時30分 軍艦島クルーズツアー
  集合場所で清算を終えフェリーに乗り込む。最近就航したばかりだというブラックダイアモンド号。黒とオレンジのいかついフェリーだ。空を見てみると、雲はあるものの晴れて日差しが強まってきている。20分ほどしてフェリーは出発した。祝日とあって大勢の人を乗せフェリーは発進。まずは高島という、こちらも元々炭鉱を掘っていた島へ向かう。その途中、大きな造船所(何やら歴史ある造船所 らしい)、女神大橋、長崎本土と伊王島を結ぶ作りかけの橋を通り、ガイドの方の説明を聞きながら15分ほどの船旅を楽しんだ。そして、高島へ到着。
 高島では軍艦島こと端島の模型があり、どこにどんな施設があったかや簡単な歴史を聞いた。端島は日本で唯一の黒字経営の炭鉱だったそうで、離島ではあったものの裕福な暮らしをしていたそう。そして、島の中には病院や学校はもちろん、スナックやパチンコ、映画館、神社など、生活に必要なものから娯楽まで、島内で生活を完結できるよう施設がそろっていたのだ。その島が捨てられてしまった。
 その後、高島にある炭鉱資料館というところで炭鉱というものはどういうものなのか、どうやって掘るのかなどの資料を閲覧した。そして、いよいよ船は軍艦島へと歩を進めていった。
 高島より船で10分もしないうちに、その島は見えてきた。遠くから見ると、確かに母艦のように見える。そして、近づくにつれ波がでてきて船が揺れだす。島に近付いていってみると、どうやら先に別のツアーの船が停まっているようだ。何とか上陸はできそうで一安心。先客が去って行ったあと、船は波止場に近付き、スタッフのがんばりにより何とか船をつけることができ、上陸可能となった。そして、いざ上陸。
 本当に建物だけが残っていた。見学ルートはきれいに整備されていたものの、それ以外は瓦礫の山である。日本初の鉄筋コンクリート造の住宅も廃墟と化していた。3つほど見学ポイントがあり、それぞれの場所でガイドの方による説明があった。ガイドの方は軍艦島で生まれ育ち、高校生の時にこの島を去ったそうだ。その為、全ての話が生々しく伝わってきた。当時の写真を見せてくれながら、いろいろなエピソードを語ってくれる。緑がないから建物の壁を緑に塗ったという話や土を運び屋上に菜園を作った話、台風の時には高波が押し寄せてきて恐怖を覚えた話、夏休みにプールに行った時の思い出、端島のおすすめデートスポットなど。子供から大人まで多くの人が生活をしていた。しかし、80年続いた軍艦島の歴史も、エネルギーの需要が石油に移って行ったことにより閉山となり、無人島となってしまった。そして、それから誰の手に渡ることなく今に至っている。近年では無断で立ち入り落書きなどをしていく人が後を絶たなかったそうで、見るに見かねた元端島の住民の方々が世界遺産にする会というのを立ち上げ保護にあたったそう。現在では世界遺産の暫定リストに記載されている。
 ガイドの方は最後にこう締めくくった。「資源が無くなり無人島となった端島。すでに資源がなくなりつつある日本。端島は日本の未来の姿ではないだろうか。」
 ガイドの方は非常に丁寧に分かりやすく説明してくれ、その後の自由見学時間や帰りの船でもいろんな話をし、たくさんの質問に答えてくれた。とても好感のもてる方で、気さくに話しをしてくれた。是非軍艦島ツアーに行く際は高島海上交通のツアーへどうぞ(笑)

 長崎という街は、元々地味な印象しか持っていなかったけど、街並みを歩いたり、いろいろな施設を周り多くの方の話を聞くことでとても歴史のある街だということを知った。是非ともまた足を運びたいところである。
 軍艦島ツアー終了により、長崎市内観光も終わり。昼飯もろくに食べずに次の目的地である島原港へ向かうことにした。その途中、長崎ペンギン水族館という看板を発見し、面白そうだと思い立ち寄ることに。

◆9月20日 14時30分  長崎ペンギン水族館
  その名の通り、(ほとんど)ペンギンしかいない水族館。様々なペンギンがいた。そして、ペンギンの生態なども勉強ができたりと、至れり尽くせりのペンギン水族館。数え切れないペンギンを目の前にし、夢中でシャッターを切る25歳男。怪しい。途中、通り雨にあったもののなかなか楽しい水族館だった。そして、出口から出てみると、浜辺の区切ったスペースにペンギンが いた。ちょうど飼育舎に帰るところだったのか、一斉に飼育員について行進していく。ほほえましくかわいい。もちろん動画撮影!
 そして、帰ろうとした時、事件は起こった。駐車券がない…財布、カバン、いたるところを探したがない…。これはピンチだ。15分ほど探したあげく、諦めて警備員さんに相談しようかと思った時…サンバイザーに挟んであった(笑)ずっと下ばっかり探していたもんで気付かなかった…灯台もと暗し(笑)どうにか無事駐車場をでることができた。

そして、車を走らせること1時間ほど。青看板に雲仙という文字が。見たことあるなぁということで、そちらの方へ行ってみた。

◆9月20日 17時00分  雲仙地獄
  公共の駐車場と思われしところへ車を停め、辺りを散策。何やら硫黄の匂いがする温泉地だった。雲仙地獄巡りなるものがあり、湯けむりがもうもうとしていた。よく分からずとりあえず一周して地獄巡り終了。満足。

 いよいよ、島原港へ行こうと運転していると、今度は鮎帰りの滝という文字が。滝に目がないのでとりあえず行ってみることに。こんなんばっかだ。

◆9月20日 18時00分 鮎帰りの
  案内板に従って行っているのだがどんどん道が細くなり、終いには車1台すらギリギリの道となってしまった為、手前で車を停めて滝へ向かうことにした。そこから100mほど行ったところに滝はあった。小ぶりな滝ではあったが、滝つぼとのバランスが非常によく、絵になる滝だった。そこで初めてスローシャッターというのにチャレンジしてみたのだが、これがまた素晴らしい。よく見る滝の写真だった。

 そこから30分ほどで島原へ着いた。島原港から熊本港行きのフェリーに乗る為に来たので、島原では特に何もせずひたすらフェリーの時間まで待っていた。そして、いよいよフェリー・オーシャンアロー号へ乗り熊本へ。約1時間の船旅で20時には熊本へ到着。大幅なショートカットだ。そして、本日の夕飯である熊本ラーメンを食べる為に熊本市内へ向かった。
 目的のラーメン屋があったのだが、行ってみると「本日、20時にて閉店させていただきます」の張り紙が…。まさかの展開に焦る。仕方ないのでYahooグルメで新たな店を調べて、近隣の良さそうな店へ向かう。しかし、今度はリニューアル中の立て看板。何という嫌がらせ(笑)
 これではお腹がすくばかりなので、近くにあったチェーン店の「味千」というお店へ。そこで、味千ラーメンをいただく。ドロっとこってりした感じではあったが、嫌な感じではなく、むしろ博多ラーメンよりも美味しかった。チェーン店とは言え、なかなかの味。

 その後、旅の味方、情報収集の友、ネットカフェへ。明日の予定をある程度立てておこうと情報収集。おおまかな予定を立てた後、近くの銭湯にはいりリフレッシュ。そして、いざ阿蘇へ。

 26時、道の駅阿蘇到着。すでに10台ほどの先客がいた。北は札幌から、南は沖縄まで様々なナンバーが揃う。その仲間に加わり、おやすみなさい。

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